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伊勢EBI会議(Power BI勉強会番外編)に参加してきました

Power BIとデータ分析の学びサイトでセミナーコンテンツ制作および講師を担当している鈴木です。

先日、6月8~9日の2日間でPower BI勉強会の有志メンバーで「伊勢EBI会議」なるものに参加してきました。

色々と興味ぶかいお話が聞けたり、実データを使ったハッカソンでどんなことをしたのかなど、Power BIに関わっている人には参考になりそうだということで、今回の記事では、Power BI関連イベントの参加報告をお届けします。

「伊勢EBI会議」ってなに?

名前だけ聞くと、伊勢エビ食べ放題のようなおいしそうな会議というイメージを持つかもしれません。
「伊勢EBI会議」は、グルメ系のイベントではなく、「Power BI勉強会」の有志メンバーが中心となり、土日2日間かけて、普段の活動ではできない親睦・交流を行う目的で開催されました。

私も「Power BI勉強会」に登壇するなど、活動に関わっているので、お声がけをいただいたというわけですね。

もちろん、ただ勉強するだけでなく、せっかく伊勢に来たのでおいしいものもいただけるよね、というにも期待を膨らませつつの参加です。

「Power BI勉強会」とは
マイクロソフトから認定されたPower BIのMVPの加賀田 猛(かがた たけし)さん、清水 優吾(しみず ゆうご)さんが中心に主催しているPower BIのスキルアップを目的とした勉強会です。定期的に勉強会やもくもく会を実施しています。私も時々出席して登壇もしています。
ご興味のある方は、詳しくはこちらをご覧ください https://powerbi.connpass.com/

株式会社EBILAB とは
伊勢神宮参道にあるゑびや大食堂から生まれた店舗経営ツール「TOUCH POINT BI」を開発・提供されています。企業サイト:EBI LAB (エビラボ) | サービス産業をより楽しく、よりスマートに
実はこの「TOUCH POINT BI」ですが、Power BIを使って開発していて、私もBIアドバイザーとしてお手伝いしているんです。

EBILAB参考記事リンク:
老舗飲食店が「来客予測システム」で業務効率化。『ゑびや大食堂』のデータ活用術とは?(Foodist)

さて、ここから本格的な参加レポートに入ります。

2日間の参加レポート

旅の準備:

「伊勢EBI会議 旅のしおり」

わざわざ主催者がご用意してくれた旅のしおり。遠足気分にしてくれますね。しゃれっ気満載で、ロゴまで作成しています。

ちなみにこのロゴで缶バッチまで作ってあって参加者皆に配られました。

1日目:

土曜日の昼頃に伊勢神宮 おかげ横丁の「ゑびや大食堂」の前で集合です。

ゑびや商店

ゑびや大食堂

まずはこの大食堂の2階部分にあるEBILABにて、勉強会のスタートです。
EBILAB/ゑびや大食堂の代表取締役社長の小田島様から、大食堂のデータ経営化の舞台裏を見ながら、IoTを使った自動発注の仕組みや、どのように通行人の需要を読み、改善を行っていったか、様々な仕掛け、仕組みの説明がありました。

「ゑびや大食堂」レイアウトなどもABテストを行った結果、今のレイアウトになっているとの事。リアル店舗内でもしっかりデータが活用されています。

その後、伊勢神宮へのお参りです。EBILAB様のガイドにより案内頂きました。伊勢神宮に入ると空気が変わりますね。

その後、ゑびや大食堂にてお楽しみの食事です。

食事中の写真は割愛しますが、ゑびや大食堂では、データドリブンな経営を実践することで無駄なコストを省き、そのコストを食材に回すことで、地産地消でよりいい食材を取り扱えるようになったとの事。
それがリピーターを呼ぶ一つの要因になっているというお話でしたが、本当に一つ一つの食材がおいしく大変満足でした。

皆さまも伊勢神宮に来られたら、是非、訪れてみてはいかがでしょうか。

もちろん顧客接点部分もデジタル化されていて、メニューも注文もiPadです。

お腹も満足した後に、二見浦に移動して、宿泊場所の浜子代館に移動。

ここで再びEBILABの代表取締役社長の小田島様のご講演です。
創業100年を超えるゑびや大食堂のアナログ時代から、今のデータ経営までの様々な工夫、努力等、そしてこれからの未来への思いが込められた熱いセッションでした。

いやー、熱意がすごいと共に、データって経営も変えられるし、そこで働く人も変えられるんだという事を改めて感じました。
私もデータ分析で世の中を変えたい、人をハッピーにしたいという思いで創業し、今のような研修事業も行っているので非常に共感いたしました。これからのEBILAB様、小田島様に注目ですね。

その後、夕食とともに懇親会で、参加された皆様とPower BIに関する話などもしながら遅くまで楽しく過ごしました。

2日目:

朝、食事終わった後に、国定指定文化財の賓日館へ会場を移動して、ここでデータソンのスタートです。

データソンって何だろうと思われた方もいるかもしれませんが、データ活用に特化したハッカソン(複数の参加チームが、マラソンのように、数時間から数日間の与えられた時間を徹してプログラミングなどに没頭し、アイデアや成果を競い合う開発イベントのこと)という意味です。

今回は、参加者を全5チームに分けて、ゑびや大食堂さんの実際のデータを使って成果を競うということで、「えびっかそん」と命名されていました。今回のイベントは「えび」尽くしですね。

さて、その「えびっかそん」は、各チーム5名のチームで、チームメンバーからリーダーを任命し、9時から15時までの6時間の作業、15時から発表というスケジュールでした。

他チームの詳しい様子はわからないので、この後は、私が参加したチームでの進め方を説明していきます。

まずは、今回のデータソンは短期決戦なので役割分担重要です。
チームのメンバーを、データを取得する人、現状データを把握する人、データを分析して考察する人、成果を発表する人、全体を指示する人などに分けて進めました。

私たちのチームでは、データを知る目的で食堂のデータを可視化し、気温との掛け合わせで相関関係を分析しながら、競合調査や商品開発として参考にするためにTwitterデータの活用を行いました。

TwitterデータはMicrosoft Flowを使ってTwitterAPIからOneDriveへデータ取得、そこからさらにPower Queryを使って、Power BIでデータを取得します。

Twitterの文章をそのまま取り込んでも活用が難しいので、日本語の文書からキーフレーズ(たとえば、「食べ物はおいしくて、すばらしいスタッフがいた」というテキストからは、 “食べ物” と “すばらしいスタッフ” の二つのキーフレーズを返します)を抽出する中間処理を入れました。

具体的には、Power Queryのカスタム関数使って、Azure上のAIの一つであるCognitive Servicesの Text Analyticsに転送し、そこでキーフレーズ抽出をおこない、抽出されたキーフレーズをPower BIに取り込み、DAXでデータモデルを作って、Power BI レポートでワードクラウド(出現頻度が高い単語を複数選び出し、その頻度に応じた大きさで図示する表現方法)を表示しました。

欲張っていくつもキーフレーズを仕掛けたら1万件にもなってしまい、データの更新了して、レポート作成したのが発表前数秒でのギリギリ完成というヒヤヒヤもののタイミング。まあ、なんとか間に合ってよかったです。

普段の入門編セミナーではそこまでお見せすることはありませんが、このようにMicrosoftの他のサービスと組み合わせて、高度なデータ活用ができるのもPower BIの魅力だと思います。

本当は、実際に作成したレポートなどもお見せしたいところなのですが、ゑびや大食堂さんの実データを使っているため、お見せすることができず残念です。

さて、なんとか時間内に成果を出すことができたので、その後、5チーム発表にうつっていきます。

他のチームの発表では、中日ドラゴンズの試合結果とゑびや大食堂さんの売上の相関関係とか、人の運勢と売上の相関など、ちょっと変わった視点でのデータ分析に基づく面白い発表などがあり、大変盛り上がりました。

ビジネスの現場では実行づらい、いろいろな思い付きを試せるのがこのようなイベントのよいところですね。

うちのチームのTwitter分析は、EBILABの社長 小田島様の個人賞を受賞いしました。しかも早速、EBILABのサービスとして組み込んでいただくとのお言葉もいただき、大変光栄です。
組み込んだ後に何らかの成果に結びついたのかなどは改めて聞いてみたいと考えています。

発表も無事終わり、16時に記念撮影して解散し、無事に伊勢EBI会議も終了です。

今回のイベントでは、Power BI勉強会の皆様と楽しみながら、多くのデータ分析の学びを得て、さらにゑびやさんの美味しいお食事はじめ、伊勢の名物料理を堪能した2日間でした。

主催されたPower BI勉強会の皆様、EBILABの皆様、ありがとうございました!

機会があれば、私の方でもイベントの企画や主催なども関わっていきたいと思います。

また、私どもの主催しているPower BIのセミナー参加者も200人を超え、毎月増え続けているので、セミナー参加者の方々にも声がけをして、エンドユーザー中心のイベントなども実現していければいいなとも考えています。

ご興味のある方はぜひお声がけください。

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